ストックフォトを業態という切り口で分類すると大別して3つのビジネスモデルがあるのではないだろうか?
1.サプライヤー型
画像の卸を主軸に事業を展開しているストックベンダー
2.ディストリビューター型
画像の販売を主軸に事業を展開しているストックフォトベンダー
3.SD型
画像の卸と販売両方を事業の主軸としているストックフォトベンダー
日本でも世界でも大手は3が多いが、中には1や2でかなりの成功をしていることもある。
ネットの世界は集中と選択、それにスピードが事業の成否を決める。その意味では、1か2に経営のリソースを集中させるのが得策だ。しかし、私も含め、この業界には「Eコマースへの事業展開は必須だが、クリエイティブも捨てきれない」という中途半端な考え方が主流なのだ。ものを作ることを非常に重要視し、それを捨て去ると、デザイナにも訴求力を失い、ウェブサイトを通じたサービスの質も落ちてしまうような気持ちになる。確かに、販売のみのストックフォトベンダーが運営するサイトはクリエイティブが感じられないことが多い。
しかし、一般的にネットの世界では、自社のオリジナルコンテンツを持って成功したところを私はあまり見たことがない。例えば、ソニーがiPodに負けたオンラインミュージック業界を見てみよう。アップルがソニーにMP3プレイヤーで勝ったのは、iPodが格好いいからではない。その大きな理由はコンテンツの供給体制だ。ソニーは傘下にソニー・ミュージックエンターテイメントなどのコンテンツ業者を抱え、それが足かせになって音楽コンテンツの供給面で遅れを取った。これが命取りになったのだ。アップルは、コンテンツに関してはベンダー中立であり、どこのレーベルの音楽でも1曲99セントで提供できる環境をいち早く作ってしまった。これがiPodがMP3プレイヤー業界を席捲した本当の理由だ。ソニーの入る余地は全くなかったのである。
翻って、ストックフォト業界を見回すと未だにオリジナルコンテンツに拘るベンダーが多く、大手はオリジナルコンテンツの囲い込みばかりやっている。これはどういうことか?ストックフォト業界は特殊なのだろうか?
さて、iTunes Music Storeは、世界の音楽市場を席捲するのにそんなに時間は掛からないだろう。そして、そのうち iTunes Contents Soreに変貌していくに違いない。現在、多くのストックベンダーがキャンペーンでデザイナの好むiPodをプレゼントしている。その時、デザイナはどこからストックフォトをダウンロードするのだろうか?
posted by Andy Kawano at 23:54| 東京 ☁|
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