2006年05月27日

企業価値

ライブドアの事件があってから、企業価値などと言うと悪いことをしているかのように非難されそうだが、企業価値を高めるというのは資本主義社会で企業がステークフォルダーに課された最も重要な義務であり、責任なのだ。本業の業績を上げることによって企業価値を高め、投資家に配当やキャピタルゲインを還元するのは、企業のあるべき姿である。

では、企業価値はどうやって評価されるのか?企業価値の評価は、大きく2つに分かれる:公開企業と非公開企業だ。公開企業の場合、時価総額と言って発行株式×株価で求めることができる。非公開株の場合は、もうちょっと難しい。非公開株は市場で値が付いていなので、発行か部数はわかっていても、株価が当該企業が発行に際して設定している株価以外に付けようがないので本当の意味での時価総額がわからない。では、どうするのだろうか?

ちょっと話が難しくなるが、非公開企業の場合、「事業計画に基づいて営業した場合の将来的に算出する価値を現在に引きなおしたもの」を企業価値とすることが多い。この考え方に基づいた企業価値算出方法をDCF(ディスカウントキャッシュフロー)という。DCFを説明は別紙に譲るとして、勘を掴むために本当に大雑把に説明すると、その企業が生み出すキャッシュフローの5〜10年分ぐらいだと思えば良い。

日本のストックフォト業界では、アマナとDEXが公開をしているが両社の企業価値はどうのくらいなのだろうか?

アマナ  8,174百万円
DEX   6,427百万円

アマナは2005.12月期の売上が74.2億円、利益(キャッシュフローではないが)が2.6億円、デザインエクスチェンジは売上が11.4億円、利益が▲2.4億円である。皆さんは、この時価総額を割高と捉えるか?、割安と捉えるのか?

posted by Andy Kawano at 15:46| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

FlickerがStockphoto業界に参入か?

Flicker/Yahooがとうとうストックフォト業界に食指を伸ばしてきたようだ。Flickerサービスの求人として、「マーケティング、写真調達、写真の経験」、「決裁システムや著作権に関する経験」を要求しているので、Flickerを金の稼げる事業として立ち上げようとしていることは間違いないだろう。

アナログのフォトライブラリ→オンラインDLサイト→マイクロペイメントサイト→そしてFlicker と、この5〜6年で次々と新しいビジネスモデルが登場する。しかし、Flickerが他のモデルと違うのは「ネットの大手Yahooが手がける事業であること」、「Web2.0型のネットワークの外部性を利用していること」である。ここまで普及したFlickerが本気でストックフォト業界に参入したらGettyと言えども相当な打撃を受けるだろう。

日本では?そして、Flickerの日本のパートナーは先日Vodaphoneを買収したソフトバンクなのだ.....。日本のストックフォト業界は、この脅威にどう対応するのだろうか?
posted by Andy Kawano at 19:04| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月06日

V字回復のスターとマルチビッツ

私は万年赤字部門を5年前程に1年間でV字回復させた経験がある。

その際、直面していた問題は経営の意思決定スピード、明確な目標や事業計画の不在、公平な評価制度の不在の3つだ。これが揃っていない組織は、社員のモチベーションが低く、一時的に上がっても長くは続かない。

こういった課題の処方箋を経営コンサルとして会社を再生させてきた実体験をもとにわかりやすくまとめた本がある。三枝匡氏の「ストーリー仕立てのV字回復の経営シリーズ」だ。三枝氏、そう、V字回復スペシャリストであり、ご存知のようにマルチビッツの親会社であるミスミグループのCEOの三枝氏である。三枝氏は元々経営コンサルタントだったが、2001年にミスミの経営に参加し、停滞していたミスミを1年間でV字回復させた実績を持っている。経営コンサルタントと言えば、大前研一氏や堀紘一氏が有名だ。しかし、三枝氏は経営戦略を立案するだけでなく、それを実行し成功した実績を持つ日本では数少ないコンサルタントである。三枝氏の事業変革や経営戦略の考え方については、インタビューを参考にして欲しい。

ストックフォト業界、正しく言えばその親会社にこういう日本を代表する経営者が居たのをご存知だったろうか?
posted by Andy Kawano at 01:07| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月04日

GWに思うストックフォト業界

私は先程まで春の海辺を散歩していた。海では気が早い若者が凧とサーフィンをミックスしたようなマリンスポーツを楽しんでいた。GW真っ盛りである。

その様子を私は個人的なブログに即座に書き残し、その後でこのブログに思ったことを書き込んでいる。ブログなどは思ったときに頭に浮かんだことを書き込んだほうが臨場感があり面白いものがかける。私は仕事、プライベートを分けずにいつでもB5のPCを持ち歩いている。

私の以前の職場では、役員以上は皆そういうのが普通になっていたし、多分誰も億劫だとは思っていなかったと思う。

ストックフォト業界はどうか?この業界の仕事のやり方は、やっとWIN95が世の中に出てきて、メールがビジネスマンに普及しだした頃の仕事のやり方だと私は思う。クリエイティブに関わるこの業界は、服装やオフィスは時代の最先端というイメージがあるが、組織の運営や業務のやり方は驚くほど旧態然としている。IT業界では20代、30代の経営者が数多く活躍しているが、この業界では若い経営者を殆ど見ることもない。

旧態然としている業界には優秀な人材は来ないし、イノベーションも起こらない。「こんな業界では市場自体がこれ以上成長しないのではないだろうか?」と不安を感じるのは私だけだろうか?

さて、温泉でも行ってくるか....。
posted by Andy Kawano at 16:21| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月01日

Gettyの株価が急落の理由

ちょっと古いがGettyの株価が急落したらしい。Gettyは昨年の11月に高値を付けて以来、右肩下がりで株価を落としているが、ここに来て10%以上急落した。

予想はしていたが、気の早い米国の市場は思ったより早く反応したようだ。タワーレコードは、赤字を出しているわけでも無いのにAppleがipodにより音楽をダウンロード販売に本格参入するというニュースが流れただけで突然死してしまったくらいだから、もしかするとこの業界はこれでも反応が遅い方なのかもしれない。

ストックフォト業界が隣接するIT業界ではWeb2.0を巡って新しいビジネスモデルや技術により覇権争いを起こしているというのに、この業界は未だにWeb1.0の世界で売上や収録写真のシェア争いをやっている。業界の世界的なリーダーが「次のチャレンジはモバイルだ!」と言った所で市場は反応しない。Gettyは現在のプラットフォームでストックフォト以外のものを売る発想しか沸かないのだろう。その他で売上を伸ばせると言ったら日本を中心とする英語圏以外のマーケットへの進出だ。

市場は、ストックフォト業界の競争は激化してきており、Gettyがストックフォトマーケット市場で優位性を優位性と成長を維持するのが難しいと判断したのだろう。

私が考えるGetty株価の急落の要因は以下の通り:

1.市場自体はそんなに成長しておらず、Gettyは既に市場の半分弱を独占している

2.ストックフォトの収録数の急増による写真単位当たりの売上低下とコスト増

3.JupiterやAdobeなどインターネットプレゼンスの高い競合の出現

4.MicroPaymentなどによる新規ビジネスモデルへのレスポンスの遅れ

Gettyの株価は、Jupiterの株価の上昇を意味するのか?、それとも業界の衰退を意味するのか?、それとも? あなたはどう思うだろうか?
posted by Andy Kawano at 00:30| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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