2006年06月03日

Web2.0の世界

私は、殆どの消費を直接、間接的にインターネットを通して行っている。以前は店頭で購入しずらかったり、日本で入手しずらい発毛剤を購入するだけだった。その他は、情報入手をして実際の購入は店頭で購入していた。しかし、最近はスーツや寝具などの比較商品もネットで直接購入するようになった。

ネットでものを購入する際は、何も考えずにGoogleで検索する。しかし、新製品はGoogleにはインデックスされてないことが多いので、Yahooで検索する。そこから、Eショップやオークションに行って、信頼できそうな店を見つけて購入する。こういった購入の仕方は、現在どんどん一般化している。

こういうったネット検索志向型の消費者が増加すると、テレビや新聞広告というのはあまり意味がなくなってくる。例えば、ある会社では5年前と比べて、新聞の広告を見て問い合わせてきた人が5分の1になってしまい、それまで紙メディアに使っていた広告予算をすべてネット広告にかけた結果、問合せが10倍以上になったという。ネット広告といっても、一昔前に流行ったバナーはあまり効果がない。バナーは、サイバーエージェントなどのネット広告代理店が大手ポータルなどと契約し、宣伝枠を押さえ、そこにバナーを掲載するという従来の電通・博報堂モデルとなんら変らない。というのは、ネット上では消費者は受動的消費者にはならないからだ。

リアルな世界では、消費者は見たい情報を選べないことが多い。例えば、テレビなどはチャネルの選択権は消費者にあるものの、こちらから能動的に情報を入手することには難しい。一方、ネット上では目的をもってログインしてくる能動的消費者が圧倒的に多く、能動的な消費者はポータルより検索エンジンやSNSなどの信頼できるクローズドコミュニティを選ぶ。

Web2.0とは、こういうネット上の能動的消費者をどうやって自社の提供するサービスに引き込むかという技術、ノウハウ、しくみなのだ。これに対応していけないネットサービスは間違いなく、衰退する。

ストックフォトの経営者は、他社を買収をするよりも、ネットで「地酒」でも購入する趣味を持った方が良いのではないだろか?













posted by Andy Kawano at 18:35| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月02日

ライツマネージドの重要性

この間、スポーツジムでベンチプレスをやっていると、トレーナーの店主が隣の女性会員に話しかけ、こんなことを言っていた。「この曲いいでしょ。有線で朝からなりっぱなしなんですよ。ライムワイヤで○○って入力すれば、すぐダウンロードできるから、メモにURL書いときますね。」

PtoPソフトが、ここまで普及しているとはと呆気にとられた瞬間であった。この2人は全く悪気がない。店主は「アップロードは違法だけど、ダウンロードは合法だかあら大丈夫だよ。」という説明までしているのだ。どういう国なんだ、日本は!?

しかし、これが現実である。一旦、ネットにアップロードされた瞬間からデータの著作権はコントロールができない。誰がどこで使おうと使用履歴が残らないので、どの使用者が購入していて、どの使用者がコピーしているのか見分けがつかないのだ。それは音楽でも、写真でも同じなのだ。

ストックフォトの世界では、使い勝手のよいRFの売上が伸びている。しかし、ウィイニーをはじめとするファイルシェアソフトの普及は、著作使用権管理の難しいRFの成長にとって大きな落とし穴かもしれない。


posted by Andy Kawano at 01:25| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月27日

企業価値

ライブドアの事件があってから、企業価値などと言うと悪いことをしているかのように非難されそうだが、企業価値を高めるというのは資本主義社会で企業がステークフォルダーに課された最も重要な義務であり、責任なのだ。本業の業績を上げることによって企業価値を高め、投資家に配当やキャピタルゲインを還元するのは、企業のあるべき姿である。

では、企業価値はどうやって評価されるのか?企業価値の評価は、大きく2つに分かれる:公開企業と非公開企業だ。公開企業の場合、時価総額と言って発行株式×株価で求めることができる。非公開株の場合は、もうちょっと難しい。非公開株は市場で値が付いていなので、発行か部数はわかっていても、株価が当該企業が発行に際して設定している株価以外に付けようがないので本当の意味での時価総額がわからない。では、どうするのだろうか?

ちょっと話が難しくなるが、非公開企業の場合、「事業計画に基づいて営業した場合の将来的に算出する価値を現在に引きなおしたもの」を企業価値とすることが多い。この考え方に基づいた企業価値算出方法をDCF(ディスカウントキャッシュフロー)という。DCFを説明は別紙に譲るとして、勘を掴むために本当に大雑把に説明すると、その企業が生み出すキャッシュフローの5〜10年分ぐらいだと思えば良い。

日本のストックフォト業界では、アマナとDEXが公開をしているが両社の企業価値はどうのくらいなのだろうか?

アマナ  8,174百万円
DEX   6,427百万円

アマナは2005.12月期の売上が74.2億円、利益(キャッシュフローではないが)が2.6億円、デザインエクスチェンジは売上が11.4億円、利益が▲2.4億円である。皆さんは、この時価総額を割高と捉えるか?、割安と捉えるのか?

posted by Andy Kawano at 15:46| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 経営 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

FlickerがStockphoto業界に参入か?

Flicker/Yahooがとうとうストックフォト業界に食指を伸ばしてきたようだ。Flickerサービスの求人として、「マーケティング、写真調達、写真の経験」、「決裁システムや著作権に関する経験」を要求しているので、Flickerを金の稼げる事業として立ち上げようとしていることは間違いないだろう。

アナログのフォトライブラリ→オンラインDLサイト→マイクロペイメントサイト→そしてFlicker と、この5〜6年で次々と新しいビジネスモデルが登場する。しかし、Flickerが他のモデルと違うのは「ネットの大手Yahooが手がける事業であること」、「Web2.0型のネットワークの外部性を利用していること」である。ここまで普及したFlickerが本気でストックフォト業界に参入したらGettyと言えども相当な打撃を受けるだろう。

日本では?そして、Flickerの日本のパートナーは先日Vodaphoneを買収したソフトバンクなのだ.....。日本のストックフォト業界は、この脅威にどう対応するのだろうか?
posted by Andy Kawano at 19:04| 東京 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月06日

V字回復のスターとマルチビッツ

私は万年赤字部門を5年前程に1年間でV字回復させた経験がある。

その際、直面していた問題は経営の意思決定スピード、明確な目標や事業計画の不在、公平な評価制度の不在の3つだ。これが揃っていない組織は、社員のモチベーションが低く、一時的に上がっても長くは続かない。

こういった課題の処方箋を経営コンサルとして会社を再生させてきた実体験をもとにわかりやすくまとめた本がある。三枝匡氏の「ストーリー仕立てのV字回復の経営シリーズ」だ。三枝氏、そう、V字回復スペシャリストであり、ご存知のようにマルチビッツの親会社であるミスミグループのCEOの三枝氏である。三枝氏は元々経営コンサルタントだったが、2001年にミスミの経営に参加し、停滞していたミスミを1年間でV字回復させた実績を持っている。経営コンサルタントと言えば、大前研一氏や堀紘一氏が有名だ。しかし、三枝氏は経営戦略を立案するだけでなく、それを実行し成功した実績を持つ日本では数少ないコンサルタントである。三枝氏の事業変革や経営戦略の考え方については、インタビューを参考にして欲しい。

ストックフォト業界、正しく言えばその親会社にこういう日本を代表する経営者が居たのをご存知だったろうか?
posted by Andy Kawano at 01:07| 東京 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月04日

GWに思うストックフォト業界

私は先程まで春の海辺を散歩していた。海では気が早い若者が凧とサーフィンをミックスしたようなマリンスポーツを楽しんでいた。GW真っ盛りである。

その様子を私は個人的なブログに即座に書き残し、その後でこのブログに思ったことを書き込んでいる。ブログなどは思ったときに頭に浮かんだことを書き込んだほうが臨場感があり面白いものがかける。私は仕事、プライベートを分けずにいつでもB5のPCを持ち歩いている。

私の以前の職場では、役員以上は皆そういうのが普通になっていたし、多分誰も億劫だとは思っていなかったと思う。

ストックフォト業界はどうか?この業界の仕事のやり方は、やっとWIN95が世の中に出てきて、メールがビジネスマンに普及しだした頃の仕事のやり方だと私は思う。クリエイティブに関わるこの業界は、服装やオフィスは時代の最先端というイメージがあるが、組織の運営や業務のやり方は驚くほど旧態然としている。IT業界では20代、30代の経営者が数多く活躍しているが、この業界では若い経営者を殆ど見ることもない。

旧態然としている業界には優秀な人材は来ないし、イノベーションも起こらない。「こんな業界では市場自体がこれ以上成長しないのではないだろうか?」と不安を感じるのは私だけだろうか?

さて、温泉でも行ってくるか....。
posted by Andy Kawano at 16:21| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月01日

Gettyの株価が急落の理由

ちょっと古いがGettyの株価が急落したらしい。Gettyは昨年の11月に高値を付けて以来、右肩下がりで株価を落としているが、ここに来て10%以上急落した。

予想はしていたが、気の早い米国の市場は思ったより早く反応したようだ。タワーレコードは、赤字を出しているわけでも無いのにAppleがipodにより音楽をダウンロード販売に本格参入するというニュースが流れただけで突然死してしまったくらいだから、もしかするとこの業界はこれでも反応が遅い方なのかもしれない。

ストックフォト業界が隣接するIT業界ではWeb2.0を巡って新しいビジネスモデルや技術により覇権争いを起こしているというのに、この業界は未だにWeb1.0の世界で売上や収録写真のシェア争いをやっている。業界の世界的なリーダーが「次のチャレンジはモバイルだ!」と言った所で市場は反応しない。Gettyは現在のプラットフォームでストックフォト以外のものを売る発想しか沸かないのだろう。その他で売上を伸ばせると言ったら日本を中心とする英語圏以外のマーケットへの進出だ。

市場は、ストックフォト業界の競争は激化してきており、Gettyがストックフォトマーケット市場で優位性を優位性と成長を維持するのが難しいと判断したのだろう。

私が考えるGetty株価の急落の要因は以下の通り:

1.市場自体はそんなに成長しておらず、Gettyは既に市場の半分弱を独占している

2.ストックフォトの収録数の急増による写真単位当たりの売上低下とコスト増

3.JupiterやAdobeなどインターネットプレゼンスの高い競合の出現

4.MicroPaymentなどによる新規ビジネスモデルへのレスポンスの遅れ

Gettyの株価は、Jupiterの株価の上昇を意味するのか?、それとも業界の衰退を意味するのか?、それとも? あなたはどう思うだろうか?
posted by Andy Kawano at 00:30| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月29日

Imagenaviがサイトリニューアル

4月27日にデータクラフトが運営するImagenavi.jpがサイトをリニューアルした。今回のリニューアルの目玉は、ユーザビリティの向上と自社RF Q×Qの第二段リリースということだ。

posted by Andy Kawano at 15:28| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月01日

バジェットペイメントの考え方

先日、ウェブ制作者の方から日本のサイトで必要なものがなかなか入手できないし、入手できても高くてウェブでは使えないというお話を聞いた。

欧米では、こういった状況をマーケットとし捉え、いち早くマイクロペイメントというストックフォト版100円ショップが登場した。そして、istockphotoshutter stock が予算に制限のあるウェブ制作者に人気を得ている。しかし、マイクロペイメントのストックフォトは、一般にモデルの質が低く、一部の写真を抜かしては、プロフェッショナルな成果物を作るのは難しい。特に、東洋人のモデルにはテーストやビジュアルに問題があり、殆どの写真を商用目的で使うことはできない。

欧米のマイクロペイメント市場は8億人人口圏を相手にしている。このマーケットを狙うのであれば供給者である写真家やストックフォトエージェンシーも写真制作にある程度の費用をかけることができる。だから、将来的には今より良質な写真が出てくる可能性が高いだろう。一方、日本のマイクロペイメントマーケットは1億人人口圏である。この小さなマーケットを狙う場合、写真制作にかけられるコストも制限が出てくるのは仕方がない。つまり、マイクロペイメントで供給側から日本人の良い写真が出てくる確率は非常に低いと言わざるを得ない。

そこで、私からの提案は「バジェットペイメント」という考え方である。良い写真を提供すれば、500円、1000円、2000円、5000円位、いや1万円くらいまでなら制作コストに制限のあるウェブ業者でも支払うことが可能だろう。写真提供はプロよりは、素人、学生、セミプロなどが中心になるだろう。
そういった分野で人気を集めるカリスマ写真家が出てくれば、それはそれで面白い。

ウェブ制作やローエンドの広告には必ずしも一流モデルは必要ないだろう。
次に誰がそのマーケットを開発するのか、これからが見ものである。





posted by Andy Kawano at 15:38| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月25日

Jupiterがアエリアと共同で定額制ストックフォトサービス開始

3月24日、JupiterImage、日本向け定額ストックフォトサイトPhotostock.jpアエリアと共同で開設した。米Jupiter Media社が運営する定額制ストックフォトサイトであるPhotos.comの日本版だ。

同サイトは、JupiterImageとアエリア株式会社が設立したジュピターイメージ株式会社が運営する。2006年度中に3000〜4000人の会員獲得を目指す。

とうとう来たという感じだ。悪いことにマイクロペイメントの一種である定額制サービスが上陸するだけでも既存のストックフォト業者にありがたくない事件なのに、それが若い社長が経営するIT企業によって運営されるということ点だ。IT企業はストックフォト業者のようにウスノロではない。多分、サイトの立上げもストックフォト業者が1年以上かかるものを、3ヶ月で立ち上げてしまうだろう。

IT業界では100億円以上市場があれば、参入する価値があると言われている。だから、200億円市場のストックフォト市場は、IT業界にとって魅力ある未開の地なのだ。アエリアが参入しニュースが流れた瞬間、IT業界の経営者の何人が興味を持っただろうか....。本当の戦いはこれからだ。


ITmediaニュース:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0603/23/news083.html
posted by Andy Kawano at 00:08| 東京 ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | ストックフォト業界ウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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